第6話: 洗面所(手洗い場)の設置基準:名古屋市内のビルで水回りを増設する費用感

名古屋市内で児童発達支援や放課後等デイサービス(以下、放デイ)の開業を目指す際、物件の図面や現地を見て「広さも間取りもバッチリだ!」と安心したのも束の間、多くの経営者が思わぬところで大きな出費に悩まされるポイントがあります。それが「洗面所(手洗い場)の設置と水回り工事」です。

放デイの運営において、子どもたちの衛生管理や感染症予防のための手洗いは毎日の必須ルーティンです。そのため、行政の設備基準でも手洗い設備に関する細かいルールが定められています。

ここでよくあるのが、「テナントの中にトイレはあるけれど、独立した手洗い場(洗面所)がない」「トイレの中にある手洗いだけで済ませようとしたら、名古屋市の審査でNGを食らった」というトラブルです。

今回は、名古屋市における放デイの洗面所に関する設置基準と、テナントに新しく水回りを増設する場合のリアルな費用感について解説します。

1. 名古屋市の基準で求められる「洗面所」の注意点

まず大前提として、放デイの設備基準では手指を洗浄する設備の設置が求められます。ここで名古屋市の審査や実務上、特に注意しなければならないポイントが2つあります。

① 「トイレの中の手洗い」と「洗面所」は別物である

「室内にトイレがついているから、そこで子どもたちが手を洗えるから大丈夫」と考えてしまいがちですが、名古屋市の指定基準や事前協議では、トイレ内にある手洗い器とは別に、独立した洗面設備を確保することが強く求められます。 衛生管理の観点や、指導訓練室からすぐにアクセスして手洗いやうがい、消毒ができる動線を確保するためです。

② 児童の人数に応じた数と使いやすさ

利用する子どもの人数や特性(車いす対応、手が届きやすい高さなど)を考慮し、誰でも安全に使える洗面設備が必要です。また、石鹸やペーパータオル、アルコール消毒液を置くスペースもあわせて確保しておかなければなりません。

2. スケルトン物件や「元・事務所」で直面する水問題

もしあなたが選んだ物件が、以前は一般的な「オフィス(事務所)」や「アパレル店舗」だった場合、室内にトイレや給湯室はあるものの、子どもたちが使いやすい位置に独立した洗面台がないというケースが多々あります。

ここで「じゃあ、この壁の向こうから新しく水道管を引っ張って、ここに洗面台を1台新設しよう」と軽く考えてしまうと、後から見積もりを見て文字通り青ざめることになります。

ビルで水回りを増設するのが大掛かりになる理由

テナントビル(特にテナント専用ビルやマンションの1階など)の場合、新しい場所に水を引っ張る(給排水管を新設・延長する)工事は、想像以上に大がかりになります。

  • 床をめくる、または壁を壊す必要性: 給水管だけでなく、水を流すための「排水管」は勾配(傾き)をつけなければ流れないため、床を高くする(置き床にする)か、床下に配管を通す大規模な工事が必要になります。

  • 階下への配慮: 2階以上の物件はもちろん、1階の物件であっても、ビルの構造や床下の状況によっては配管ルートの確保が非常に困難な場合があります。

3. 水回り増設にかかる費用の目安(リアルな費用感)

名古屋市内のテナントで、元々水がない場所や離れた場所から、新しく洗面所(手洗い場)を1箇所増設する場合、内装工事の費用感はどれくらいを見込んでおくべきでしょうか。

  • 簡単な配管の延長だけで済む場合(既存の給排水に近い場所):

    • 約15万円 〜 30万円程度(既存の配管からすぐ近くに洗面台を分岐させるだけの場合)

  • 床を掘削したり、遠くから大掛かりに排水・給水管を引っ張る場合:

    • 約35万円 〜 60万円以上(配管工事、床・壁の復旧、洗面台本体の購入・設置費込み)

もし、トイレの増設やバリアフリー化の大改修が同時に必要になると、水回り全体だけで100万円単位の予算オーバーになることも珍しくありません。

4. 物件選びの段階で「水回り」を確認する鉄則

こうした多額の追加工事費や、「工事ができなくて指定申請が通らない」という最悪の事態を防ぐために、物件を選ぶ段階で必ず次のチェックを行いましょう。

  1. 既存の給排水の位置を必ず図面や現地で確認する: 「どこに水道の元栓や排水の抜け穴があるか」を内見の段階で不動産屋や施工業者に必ず確認してもらう。

  2. 「水回りが最初から揃っている物件」を優先的に狙う: 元・クリニック、歯科医院、美容室、あるいはすでに綺麗な給排水やトイレが完備されている福祉事業の居抜き物件などは、水回り工事のコストを大幅に圧縮できるため、圧倒的に有利です。

まとめ:水回りの見落としは、開業資金を一撃で狂わせる

名古屋市における放デイの開業では、指導訓練室の広さや相談室の壁だけでなく、「洗面所(手洗い場)の位置と増設コスト」も事業計画を左右する極めて重要な要素です。

  • トイレ内とは別に、独立した手洗い設備(洗面所)の確保が求められる。

  • オフィステナントなどに水回りを新設する場合、配管工事で数十万円〜の追加コストがかかる。

  • 物件選びの段階から、給排水の位置を把握し、無駄な改修費がかからない物件を選ぶ。

「思っていた以上に水道工事にお金がかかって、内装のほかの部分に予算が回らなくなった……」とならないよう、事前の物件チェックと資金シミュレーションを徹底しましょう!

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